ついに夢の東コレデビューが決まった僕らは、 改めて自分たちがなんの為にモノづくりをしているのかを考えた。 そして大きく三つのコンセプトがあることに気が付いたんだ。
「再生」すること-Renaissance
「反社会」であること-Revolution
「表現」すること-Redesign
これらの頭文字を取ってコレクションのテーマを 「Re」と題し、様々な人を巻き込むプロジェクトを立ち上げた。
[Re] Road to Tokyo Collection Project
すると早速僕らが入居するIIDが毎月発行するフリーペーパー「IID PAPER」に取り上げてもらえた。
そして無名の自分たちをあたかも凄い人のように魅せるため、
僕らの作品を評価してくれている著名人にコメントをもらい、
同じくIIDに入居する映像クリエイターにムービーを作ってもらった。
自作自演とはこのこと。でもこれも演出の1つだ。
しかし、ここで大問題が発生した。
目立ち過ぎたのか、商標権で他のブランドから「ブランド名が類似している」と訴えられてしまったんだ。
ここまでは「シャミ[shami]」というブランド名でやってきたが、
なんと東コレデビュー直前で急遽「ROCKER AND HOOKER」に変更することになった。
でも、僕らはブランドネームでものを買う世の中自体を否定していたので執着はなかった。
むしろこの状況すらも逆に好都合だと思えたんだ。
もう勢いは止まらない。
僕はショーまでの構成を三部構成のカウントダウンイベントを企画して、集客&告知を図った。
ここで当時イベントなどでお世話になっていた村上さんをPRESSに招いて大きな力を借りた。
第一弾はその村上さんが籍を置く、「Space Lab Yellow」でのイベント。
「Yellow」は今はなき東京のダンスミュージックシーンを牽引した伝説のクラブだ。
COUNT 3 @SPACE LAB YELLOW 2007.7.9(Mon)
そして第二弾は僕がバーテンダーとして働いていた「Le baron de Paris」でのイベント。
「いつかここで自分のブランドのパーティーを...」という想いは見事に現実になったんだ。
COUNT 2 @Le Baron de Paris 2007.8.4(Sat)
各イベントでは来場者の写真をその場でプリントしてそれをパンツに縫い付けていき、 最終的にショーの作品として出品、さらに来場者はショーに招待するという前代未聞の参加型のコレクションを考えた。 中野はクラブでミシンを踏むパフォーマンス、僕はDJとして空間を造り上げた。
そして第三弾がいよいよ東コレ本番。
僕らはショー会場にホームである「世田谷ものづくり学校」の廊下を使った。
COUNT 1 @IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN 2007.9.1(Sat)
アンティークのシャンデリアを借りてきて廊下に設置して、赤く長いランウェイは中野が自ら作った。
BGMはクラブでたまたま見てビビッと来たインストバンド「te'」 に演奏をお願いした。
LIVEの中、飾られた学校の廊下をモデルが歩くというイメージは僕の中で出来ていた。
プロの演出家はつけずに自分で演出をするというのは東コレでは異例のことだった。
本当に色々な人の協力を得て、僕らは夢の東京コレクションデビューを果たした。
二人の力だけではなく、本当にみんなで作り上げたショーだった。
第五回JAPAN FASHION WEEK IN TOKYO
08' S/S COLLECTION 参加
----------------------------------------------
ROAD TO TOKYO COLLECTION PROJECT
2008 S/S Collection Theme「Re」
■「再生」Renaissance
→USEDアイテムの再生
■「反社会」Revolution
→大量生産への疑問
■「表現」Redesign
→商品ではなく作品
COUNT DOWN EVENT
史上初の参加型コレクション開催!!!
COUNT 3 @SPACE LAB YELLOW
2007.7.9(Mon) open 22:00~
COUNT 2 @Le Baron de Paris
2007.8.4(Sat) open 21:00~
COUNT 1 @IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN
2007.9.1(Sat) open 21:00~
COUNT 0 @ROCKER AND HOOKER
2007.9.3(Mon)9.4(Tue)9.5(Wed) open 11:00 close 19:00
----------------------------------------------
【ROCKER AND HOOKER】
Designer:Keisuke Nakano
Director:Koji Ishida
Press:Takuya Murakami
「その一線を越えたおもしろさ」
をコンセプトに未だかつて無いほど
手の込んだリメイクを展開。
Comments