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  • 執筆者の写真Koji Ishida

日本一

東京コレクションは世界4大コレクションと呼ばれるパリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンに続く、 日本では一番有名なファッションショーと言ってもいいだろう。 実はそこにリメイクブランドで出たのは僕らが初めてだったとか... あれから10年後の今では当たり前になったリサイクルや、


モノを大事にしようっていう時代になりつつあるから、 もしかしたらちょっとした革命は起こせたのかもしれない。 そんな日本一の舞台に出る前にどうしても行きたかったところ、 それが富士山だった。 東コレという1つの目標を達成した後、僕は海外に行くことが決まっていた。 それもあって、どうしても日本の頂点に登ってみたかったんだ。

ショーの成功祈願と自分自身に気合いを入れるため、仕事終わりに一人富士山へ向かった。 と言っても登山の装備なんかない。

僕が持っている靴の中で一番丈夫そうだったバッシュ(バスケットシューズ)と冬用のダウンを持っていった。 なんて無謀なんだろう...当時の自分の無敵状態がよく分かる。 新宿からバスで富士山五合目に着いたのは夜の10時。 あたりは真っ暗。 満天の星空と時々流れ星を眺めつつ、好きな音楽を聴きながら山頂を目指した。 流石は日本一。道のりは想像以上に長かった。 でも、意外と子供やお年寄り、夫婦で登山している人も多かった。 八合目には休憩出来る場所があって、だいたいはそこで仮眠なり休憩してからまた登るのが一般的みたいだったが、 僕は日の出に間に合うのか微妙で時間的にもあまり余裕はなかったので、ノンストップで頂上へ。 この辺りからはもう人で渋滞しているくらい人が多かった。 上へ行けば行くほど気温も下がり、空気も薄くなり、若干頭がクラクラしながら山頂へ辿り着いたのは朝4時。 真冬のような気温の中、カップラーメンと缶ビールで朝日を待った。 あれは間違えなく今まで生きた中で、一番高くて美味しいカップラーメンだった。


朝5時、待ちに待ったご来光。 当時の携帯カメラの画像は荒くてあまり伝わらないかもしれない。 でも、雲の上から見る景色は絶景過ぎて本当に言葉にならなかった。 今は有料になっちゃったみたいだけど、日本人なら一度は行くべき場所だと思う。 「自分の中で無理って決めた時点でそれは無理で、できるって思えばなんだってできる」 そんな悟りを開いて僕は下山した。 僕がバスケを始めたときに初めて親に買ってもらった思い出のジョーダン10は、 下山途中で靴底が剥がれてベコベコになっていた。 Thank you Jordan. おかげで日本一の景色が見えたよ。



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