僕がこの地に住んだ本当の目的は、
東京から離れた場所で生きていけるようになること。
人も仕事も日本で一番多い関東圏で生きていけなければ、北海道になんて帰れるわけがない。
そうやって常に未来を見据えて自分を追い込んでいた。
「何歳までに…」「何年後には…」
いつだって自分が決めた期限に追われているんだ。
湘南に住んでしばらくは、自分で築き上げた人脈を頼りに東京へ行き来していた。
こっちには知ってる人もいないし、自分が動かない限り仕事なんてない。
週の半分は東京、半分は湘南という日々が続いた。
色々なプロジェクトが同時進行で動くもすぐにお金になるような仕事には繋がらない。 お金は後で付いてくる。
そう信じてただひたすらに動きまくる。 だけどフリーデザイナーとして、デザイン業だけで生きていくということは そんなに簡単なことではなかった。
結局、僕は東京・ロンドンのときと同じようにデザイン業の傍ら、その土地の飲食店で働くことにした。
これが今も続く自分が生きていく為の選択肢だった。
「仮想・札幌」
湘南ライフは、三年後の札幌のシミュレーション。
まずは生きていく為に飲食ビジネス＆経営を知ろう。
ファッションと飲食はかなり密接な関係だと思うし。
デザイン業だけじゃなく、やりたいことは全てやってみよう。
そして地元に帰るまでに持って帰るビジネスを確立させよう。
こうして期限付きの仕事探しが始まった。
自分が良いと思うファッション＆飲食＆音楽、その全てがある空間作りを目指して…
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