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執筆者の写真Koji Ishida

新天地


2週間の帰省を終え、再び東京へ。


久しぶりに地元の友達ともたくさん会えた。


みんな社会人になっても昔と何も変わらない。


だけど1人足りない。


いつもいるはずの奴がいなかった。


ようやく現実を受け止めた自分がそこにいた。


早いもので、親友が亡くなってからもう五ヶ月…


あのとき僕はその現実を受け止められなくて、


海外に逃げるように戻ったから、その実感はほとんどなかった。


札幌に残っていた友人らはしばらく仕事にならなかったらしい。


辛かっただろうな…


おかげでまとまりがなかった僕らも、


今まで仕切っていた彼がいなくなってから一つになったような気がする。


きっとみんなの中に彼は生きてるんだろう。


まだ地元には帰れない。


でも30歳までには必ず帰って来るから。


ロンドン土産の当時僕も吸っていた金マル(Marlboro LIGHTS)をお供えに

※今はMarlboro GOLDと言うらしい


亡き親友のお墓の前でそんな約束をして僕は札幌を離れた。


新天地は湘南。


東京→ロンドン→札幌へ帰るという、


僕の当初の人生プランにはなかったシナリオだった。


でも人生は一度きり。

どうしても住んでみたかった。

ちょっとだけ寄り道してから札幌に帰ろう。


ロンドンに行ってなかったら例え日本国内とはいえ、


そんな簡単に見知らぬ土地へ1人で住んでみようという気にはならなかったと思う。

結果としてこの寄り道が僕の人生を大きく左右することになる。



今考えるとそれもまた運命だったのかもしれない。




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